1 分別の利益について、実体法上、単純保証人からの主張は必要ではなく、保証債務は当然に分割される。 2 訴訟手続上は、分別の利益はその利益を享受すべき単純保証人からの主張を要する(全額の保証債務履行請求に対する抗弁となる。)とするのが通説実務…
1 承認(民法147条3号)は、既に得ている権利を放棄するなどといった新たな処分行為をするものではないから、承認をするに相手方の権利についての処分権限を有することを要しない(民法156条)が、承認によって時効中断効という不利益が生ずる以上、同条の…
1(判決要旨)複数の包括遺贈のうちの一つがその効力生ぜず、又は放棄によってその効力を失った場合、遺言者がその遺言に別段の意思を表示した時を除き、その効力を有しない包括遺贈につき包括受遺者が受けるべきであったものは、他の包括受遺者には帰属せ…
1 一般的な考慮要素 ➀点火行為前の確認や準備、場所の選定 燃焼器具の状態の確認や手入れの状況、周囲の可燃物の有無や可燃物との距離のほか、屋外の事案では気象条件等 ②点火行為 点火行為の方法自体の安全性や点火行為時の安全確認の有無等 ③点火行為後の…
1 本訴訟類型は、審理が長期化しやすいという特徴がある。 ⑴ 訴訟を提起する相続人は、生前の被相続人との関係が疎遠であったり、相手方相続人との関係も被相続人の生前の身上監護や財産管理をめぐり、長期間良好とは言い難い関係にあったと思われる事案も…
1 担保不動産競売の債務者が免責許可の決定を受け、同競売の基礎となった担保権の被担保債権が上記決定の効力を受ける場合、当該債務者の相続人は、民事執行法188条において準用する同法68条にいう「債務者」に当たらない。 2 民事執行法68条、18…
1 民法上の配偶者は、その婚姻関係が実体を失って形骸化し、かつ、その状態が固定化して近い将来解消される見込みのない場合、すなわち、事実上の離婚状態にある場合には、中小企業退職金共済法14条1項1号にいう配偶者に当たらない。 2 Xは、Aとその民…
1 遺言者が、入院の日に自筆証書による遺言の全文、同日の日付及び氏名を自書し(4/13)、退院して9日後(全文等の自書日から27日後 5/10)に押印した等判示の事実関係の下においては、同自筆証書に真実遺言が成立した日と相違する日の日付が記載されて…
1 不動産競売手続において建物の区分所有等に関する法律66条で準用される同法7条1項の先取特権を有する債権者が配当要求をしたことにより、上記配当要求における配当要求債権について、差押え(平成29年法律第44号による改正前の民法147条2号)…
1 請負人である破産者Aが、その支払の停止の前に、注文者Yとの間で複数の請負契約を締結していた場合において、上記の各請負契約に、Aの責めに帰すべき事由により工期内に工事が完成しないときはYが当該請負契約を解除することができるとの約定及び同約定に…
1 被用者が使用者の事業の執行について第三者に損害を加え、その損害を賠償した場合には、被用者は、使用者の事業の性格、規模、施設の状況、被用者の業務の内容、労働条件、勤務態度、加害行為の態様、加害行為の予防又は損失の分散についての使用者の配慮…
1 平成11年に被相続人Cが死亡し、相続が開始した。相続人は、妻である亡D、子である抗告人A及び相手方Bの3人であった。 平成13年に亡Dも死亡し、平成14年に亡Dの相続人であるAとBとの間で、遺産分割協議が成立した。ところが、平成16年頃にC名義…
1 亡父が、自筆証書遺言作成後、同遺産を構成する各不動産を売却するため、不動産業者との間で専任媒介契約を繰り返し締結し、同各不動産を売却する意思を示す等しており、民法1023条2項により上記遺言は撤回されているから、原告は相続により同各不動産を…
1 民法916条にいう「その者の相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時」とは、相続の承認または放棄をしないで死亡した者の相続人が、当該死亡した者からの相続により、当該死亡した者が承認又は放棄をしなかった相続における相続人としての…
1 本件融資から本件各担保契約についての対抗要件の具備までに時間を要した(本件融資6/30 担保契約7/17 対抗要件具備7/28又は8/13)ことを理由に、本件各担保契約が「既存の債務についてされた担保の供与」該当するかが争われた 2 ⑴ 破産法162条1項柱書は…
第1 使用者による請求について 1 訴訟物 2 賠償・求償の制限1(特約によらない制限) (4)裁判例の傾向の分析 ア 制限の範囲各論以外の点 イ 制限の範囲各論について (ア)交通事故類型について (イ)図利加害類型について 報償責任や危険責任の観点…
1 本報告では、注文者が建築関係法令違反のリフォーム工事(特に断らない限り、設計施工一体型を念頭にする。)を問題とするときの典型的な主張及びその問題点を整理して審理の見通しを立てられるようにすることを目的とする。 2 報告者が所属する大阪地裁…
1 相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において他の共同相続人がすでに当該遺産の分割をしていたときの民法910条に基づき支払われるべき価額の算定の基礎となる遺産の価額(判タ1465号49頁 最判R1.8.27) 2 判決…
1 ➀目的物の所有権は代金完済まで売主に留保され、代金完済の時点で買主に目的物の所有権が移転するという構成(「留保構成」) ②売買契約によって売主から買主に留保所有権は移転され、買主から売主に留保所有権が設定されるという構成(「移転・設定構成…
1 区分所有建物の共有部分については、管理組合は民法717条の占有者には当たらず、区分所有者の全員が民法717条の占有者には当たる、とするのが立法担当者による解説であり、本判決も同じ考え方によったものと思われる。 2 本判決は、「敷地及び共用部分等…
1 審理モデル(追加変更工事編、瑕疵編、出来高編)は、今後3回に渡って本誌に掲載される予定である。 2 追加工事の要件事実 ①当該工事が追加変更工事であること(追加性) ②施工合意 ③確定代金額の合意 ③´a有償合意(有償性) b相当代金額(相当性) ④⑤完…
1 破産法253条1項本文に規定する免責の法的性質については、自然債務説が通説であり、判例も自然債務説を前提としていると解されている。 破産手続によらないで行使することができる別除権(破産法2条9項、65条1項)が免責の効力を受けないことは、当然のこ…
1 昭和45年最判及び平成11年最判の摘示した考慮要素についての考察 ア「経過した年月」 裁判例においては、土地の使用貸借においては20年から30年の経過により、建物の使用貸借においては10年を超える期間の経過により貸主の明渡請求を認めている例が多くな…
1 別紙最高裁の判決一覧 A 597条1項により解決を図ることができる類型 B 597条2項により解決を図ることができる類型 C 597条3項により解決を図ることができる類型 2 (B類型)明確な使用目的の定めがなく、個別的具体的な使用目的も認定できない場合に…
1 抵当権者に対抗することができない賃借権が設定された建物が担保不動産競売により売却された場合において、その競売手続の開始前から当該賃借権により建物の使用又は収益をする者は、当該賃借権が滞納処分による差押えがされた後に設定されたときであって…
1(1)ノンコミットメントルールとは、a弁護士が、争点整理において、後日撤回する可能性を留保した暫定的発言をすることを認めること、b裁判所は、暫定的発言を主張として扱わないこと、c相手方代理人は、暫定的発言を次回の準備書面で引用したり、そ…
1 民訴法17条の類推適用による自庁処理 民訴法は、特定の地方裁判所又は簡易裁判所を専属的管轄裁判所とする旨の管轄の合意に反し、法定の管轄裁判所に当たる他の地方裁判所又は簡易裁判所に訴えが提起された場面において、当該裁判所が管轄違いを理由とす…
1 本件は、Yが認知症対応型共同生活介護サービスを提供するグループホーム(本件施設)の2階の居室(本件居室)の窓(本件窓)から地上に転落して受傷したA(当時93歳)及びその長女であるXが、本件施設には居室の窓からの転落を防止するための措置が講…
1 破産債権者が破産手続開始後に物上保証人から債権の一部の弁済を受けた場合において、破産手続開始の時における債権の額として確定した物を基礎として計算された配当額が実体法上の残債権額を超過するときは、その超過する部分は当該債権について配当すべ…
3つの問題 (1)払い戻された預貯金債権の価値代替物(代償財産)の遺産性 (2)相続開始後に遺産である預貯金が払い戻された場合の具体的相続分の計算方法 (3)相続開始後に遺産である預貯金を払い戻した相続人に対して、他の相続人が損害賠償請求又は…