2023-01-01から1年間の記事一覧

破産管財人が、別除権の目的である不動産の受戻しについて上記別除権を有する者との間で交渉し、又は、上記不動産につき権利の放棄をする前後に上記の者に対してその旨を通知するに際し、上記の者に対して破産者を債務者とする上記別除権に係る担保権の被担保債権についての債務の承認をしたときは、その承認は上記被担保債権の消滅時効を中断する効力を有する(判タ1511号119頁)

1 承認(民法147条3号)は、既に得ている権利を放棄するなどといった新たな処分行為をするものではないから、承認をするに相手方の権利についての処分権限を有することを要しない(民法156条)が、承認によって時効中断効という不利益が生ずる以上、同条の…

*複数の包括遺贈のうちの一つがその効力を生ぜず、または放棄によってその効力を失った場合における、その効力を有しない包括遺贈につき包括受遺者が受けるべきものであったものの帰趨(判タ1511号107頁)

1(判決要旨)複数の包括遺贈のうちの一つがその効力生ぜず、又は放棄によってその効力を失った場合、遺言者がその遺言に別段の意思を表示した時を除き、その効力を有しない包括遺贈につき包括受遺者が受けるべきであったものは、他の包括受遺者には帰属せ…

失火責任法の重過失(判タ№1509 19頁)

1 一般的な考慮要素 ➀点火行為前の確認や準備、場所の選定 燃焼器具の状態の確認や手入れの状況、周囲の可燃物の有無や可燃物との距離のほか、屋外の事案では気象条件等 ②点火行為 点火行為の方法自体の安全性や点火行為時の安全確認の有無等 ③点火行為後の…