2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「借地借家法11条の類推適用」

1 地上権設定契約及び土地賃貸借契約において、ゴルフ場経営を目的とすることが 定められているにすぎず、当該土地が建物の所有と関連するような態様で使用され ていることもうかがわれないという事実関係の下においては、借地借家法11条の 類推適用をする余…

従業員の休業による外注費用と法人の損害 (東京高裁平 平24.12.20判決) (判タ 1388-253)

1 X会社に勤務し、大型活魚運搬車の運転業務などを担当していたAが休業した。 X会社は、Aの休業中、C会社に活魚運搬業務を外注した。 2 原審は、代替措置を執ったことによる実費(積極損害)を損害として認定。 間接損害について判示した最二小判昭43…

非開示の希望に関する申出書

平成XX年(家)第XX号1 次の事項については、非開示とすることを希望します。 申出人の住所 申出人の勤務先 申出人の電話番号 子の通っている学校、幼稚園、保育園 別紙の書面 非開示を希望する書面ごとにこの申出書を作成し、本申出書の下に当該書面を…

競業避止義務(その2) (判タ1388-18)

1 退職金の支払・返還 (1)不支給条項等の要件(文言) (2)要件の限定・加重等その他論点 (3)要件該当性論点の結論 (4)具体的な考慮事情 2 不法行為 (1)退職者の地位(最高位) (2)不法行為の内容 a 営業秘密利用 b 持ち出した情報 c 顧客奪取 d 従業員…

最高裁の取扱(自由と正義 64-6-12)

1 最高裁の裁判においては、下級裁判所の裁判と異なり、各裁判官が個別意見を 表示することが認められている(裁判所法11条) 2 法廷意見(全員一致の意見)又は多数意見(反対意見がある場合の多数の意見)を 補足する「補足意見」 多数意見と結論を同じ…

失踪の宣告

1 【管轄】 家事審判法のもとでは、不在者の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄。 家事事件手続法においては、不在者の従来の住所地又は居所地を管轄する 家庭裁判所の管轄(法148条1項) 2 【公告期間】 家事審判法のもとでは、公示催告期間として、不在者…

和解・認諾・調停(境界確定)

1 境界確定訴訟の対象を公法上の境界とする通説によれば、土地所有権の処分 そのものの自由は当事者に認められるが、すでに定められている一筆ごとの 土地の範囲である公法上の土地境界は当事者が自由に処分することは許されない ものであるから、合意によ…

境界確定訴訟での和解の方法

1 【手続】 (1)係争地部分等の所有権確認の訴えに交換的に変更 (2)境界確定訴訟のままで、係争地の所有権確認をし、訴え取下げ又は 訴訟終了の合意の条項を作成する (3)所有権の範囲を確認する合意の中に境界確定を求める訴えの取下げの合意が 含まれ…

数次相続ごとの遺産分割調停申立ての立件

1 亡Aの相続人妻Bが死亡した場合、Bに固有財産がない場合には、 被相続人Bの遺産分割調停を申し立てる必要はない。 実務においては、第2次被相続人Bを除く第1次被相続人Aの共同相続人と 第2次被相続人Bの共同相続人とが同一である場合には、最終…

所有権確認訴訟と境界確定訴訟の選択

1 所有権確認訴訟の場合、原告は係争地が自己所有に属することの 主張立証責任を負う。 そのため、その点の真偽が不明な場合、立証責任の分配の結果から 原告敗訴となる危険性がる。 2 境界確定訴訟においては、公的存在である境界が裁判官によって確認さ …

時効消滅した債権と相殺

1 既に弁済期にある自働債権と弁済期の定めのある受働債権とが相殺適状にあると いうためには、受働債権につき、期限の利益を放棄することができるというだけ ではなく、期限の利益の放棄又は喪失等により、その弁済期が現実に到来してい ることを要する。 …

遺産分割審判に対する即時抗告

1 【不利益変更禁止について(民訴304条の下準用】 民事訴訟法304条は、第一審判決の取消し及び変更は、不服申立ての限度に おいてのみ、これをすることができると規定していることから、これにより、 控訴審の範囲が限定され、不利益変更の禁止が要請され…

連帯納付義務

1 所有している固定資産にかかる固定資産税(都市計画税)については、 地方税法第10条及び第10条の2の規定により、連帯して納付する義務が ありますので、共有物件納税通知書をご覧の上、未納額を納期限までに 取扱金融機関へ納付して下さい。2 納額全額…

親族への融資(成年後見)

1 被後見人の資産から親族の事業に融資することは、被後見人の財産の 貸付けであり、返済を受けられずに、被後見人の財産を減少させる おそれがあることから、被後見にとって不利益な行為であり、 原則として被後見人にとっての必要性が認められない。 2 …

持戻免除の意思表示

1 特別受益の持戻は被相続人の通常の意思に合致していると推測される ことからである。 したがって、被相続人がこれと異なる意思、すなわち持戻免除の 意思を示したときには、遺留分の規定に反しない限り、 これに従うことになる。(民903条3項) 共同相続…

持戻し免除と方式

1 遺贈についての持戻し免除の意思表示は遺贈が要式行為である関係から 遺言によってなされる必要があるとするのが多数説である。2 遺言の方式以外のその他の方法でもよいとする説が対立している。3 遺贈は原則としてその名宛人を優遇する意思があるとの…

取締役の資格等

1 第331条 次に掲げる者は、取締役となることができない。 1 法人 2 成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に 取り扱われている者2 また破産手続開始決定から復権していない者を欠格事由から削除した。 これは、債務者にできるだけ…

特別抗告

1 特別抗告には、特別上告と同様に、その提起に原裁判の確定遮断効 はなく(122・116(1))当然の執行停止効もない(403(1)・336(3)参照) 特別抗告の執行停止については、抗告のための執行停止制度が 準用される(334(2))

許可抗告

1 判決手続に上告受理制度(318)が採用されたことに対応するため、 抗告手続について創設されたのが許可抗告である。2 特別抗告には、特別上告の規定が準用されるので(336(3))、本来の 上訴とはいえない。

抗告

1 抗告の対象となる決定および命令は、告知されることによってその効力を 生じるが(民訴法119)、抗告は、即時抗告に限って執行停止の効力を 有する(334(1))2 裁判機関の地位から、抗告のできない場合として、つぎのものがある。3 高等裁判所の裁判につ…

下請人の材料提供と出来高の所有権 【最高裁 平5.10.19 第三小法廷判決】 (判タNo.835 140頁)

1 建物建築工事の注文者と元請負人との間に、請負契約が中途で解除された際の 出来形部分の所有権は注文者に帰属する旨の約定がある場合には、元請負人から 一括して当該工事を請け負った下請負人が自ら材料を提供して出来形部分を築造 したとしても、注文…

人身傷害の後遺症等級認定の方法

1 自社の独自認定2 算出機構において「事前認定」をする

賃料と相続

1 相続開始から(1)遺産分割協議 (2)遺産分割調停の成立(3)遺産分割審判の確定 までの期間の長短により、遺産に属する不動産の法定果実のうち各共同相続人が 取得する額が変動し、上記期間が長くなると、遺産分割によって上記不動産を取得 する相続人…

相続人の財産と任意売却

1 亡Aの相続人B(破産者)が自宅を取得して不動産を任意売却をする場合 →相続登記+財団放棄

借地権の期間

1 借地借家法附則6条 「この法律の施行前に設定された借地権に関わる契約の更新に関しては、 なお従前の例による。」 借地借家法の施行→平成4年8月1日 2 旧法(借地法) 【原則】2条 堅固…60年(これ以上の期間の合意も可) その他…30年以上( 同…

賃借権と抵当権

1 借地権とは、建物の所有を目的とする「地上権」又は土地の 貸借権をいう(借地借家2(1)) 2 抵当権の目的とされる権利の種類は法定されており、借地権のなかで 地上権については抵当権の設定ができる(民369(2))。 賃借権は、抵当権の目的とすることはで…

規範的要件の要件事実 (判タ1387-24)

1 「過失」、「正当な理由」などの規範的要件の要件事実については、 「過失」などの規範的評価それ自体を主要事実とし、それを根拠づける 具体的事実を間接事実とする見解(間接事実説)と、評価根拠事実と 評価障害事実に分け、いずれも主要事実であり当…

清算人登記

1 送達ができないために留保されていたことが出来るようになる。2 たとえば、公租公課庁の差押等が考えられる。

成年後見人の着手の時期

1 改任(たとえば不適切行為による交代)…審判後直ちに2 選任…確定後

従業員等の競業避止義務 (判タ1387-5)

1 本稿は、過去の裁判例を調査した上で、在職中の競業行為に関する問題、 合意等による退職後の競業避止義務の有効性に関する問題、退職金支払 請求権に関する問題、不法行為の成否の問題などの類型ごとに整理した上 で、各類型で問題になる論点について考…