2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

小規模個人再生と詐害行為取消権

1. 再生手続が開始された後は、債権者間の公平を図るために、再生債権の個別的な権利行使は許されないものとして、債権者が再生手続外で別途、詐害行為取消権を行使することはできないと解するのが相当 (東高判22.12.22、判タ 1348-243) 2. 通常の再生手続…

法定地上権に関する判例の分析と展望(判タ1348-58〜74頁)

1 土地区画整理事業は長期にわたり、その間に仮換地や保留地予定 地上に建物が建てられ、抵当に供されることがある。 よって、法定地上権の所有権要件が問題となる。 2 仮換地の場合 3 保留地予定地の場合 ① 保留地予定地は、仮換地指定処分とともになさ…

民事再生と双務契約

1.確答がなかった場合の効果について、破産手続では、契約は解除されたものとみなされるのに対して(破産法53条2項)、49条2項では、解除権が放棄された(履行が選択された)ものとみなされる。2.これは、清算を目的とする破産手続では、契約関係を早期に終…

証人の冒用した氏名の筆記

1 氏名冒用が争点の際は、証人に冒用した時と同じ署名をさせて証人尋問 調書の末尾に添付することがある。 2 民事訴訟規則119条(文字の筆記等) 裁判長は、必要があると認めるときは、証人に文字の筆記その他の 必要な行為をさせることができる。 3 …

若年非正規雇用者の逸失利益(未来118頁)

1 平成11年ころから行ってきた若年労働者の基礎収入の認定の在り方に ついて、非正規雇用の就業形態により稼働していた場合を中心として、 検討すべき点はないかという問題意識が生じている。 2 いわゆる平成11年三庁共同提言は、基礎収入の認定について、…

接道義務と売主・仲介業者の責任

1 売買された土地が接道義務を満たしていない場合、売主及びその仲介業者に 説明義務の違反があったとして、買主に対する不法行為責任が認められた事例 (千葉地判H23.2.17 判タ1347-220) 2 被告は、いずれも不動産の売買及び仲介を業とする会社であり、…

条件か期限か

1. 数社を介在させて順次発注された工事の最終の受注者XとXに対する発注者Yとの間におけるYが請負代金の支払を受けた後にXに対して請負代金を支払う旨の合意は、上記工事が一部事務組合から発注された公共事業に係るものであって、同組合からの請負代金の支…

相続債務の弁済

1 熟慮期間中にした相続債務の弁済は、管理行為の範囲内であるのか、 相続財産の処分行為として単純承認したものとみなされるのか。 2 学説上、処分行為説と保存管理行為説がある。 3 熟慮期間中は、相続財産の保存を目的とした管理がなされるべきであり…

合同会社

1 会社法914条6号により業務執行社員の氏名を、同条7号 により代表社員の氏名及び住所を、本店の所在地において 登記しなければならない。 2 業務を執行する社員は、持分会社を代表する。ただし、 他に持分会社を代表する社員その他持分会社を代表する 者…

私文書の真正の推定

1. 私文書は、本人またはその代理人の署名または押印があるときは、真正に成立したものと推定される(228・4) 2. 推定の性質は、法定証拠法則 3. 私文書に押されている印影が作成者の印章によって顕出されたものであると きは、反証のない限り、その印影はそ…