2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

弁済供託をめぐる裁判例と問題点(判タ 1356-26)

1. 保険会社は、控訴審における弁論準備手続期日において、被害者に対して第一審判決認容額の口頭の提供をした。しかしながら、被害者が受領を拒絶したため、保険会社が第一審判決認容額を弁済供託した上で、附帯控訴をして弁済供託の分の債務の消滅を主張し…

財団債権と弁済による代位 最判平23.11.22

1. 弁済による代位の制度は、代位弁済者が債務者に対して取得する求償権を確保するために、法の規定により弁済によって消滅すべきはずの原債権及びその担保権を代位弁済者に移転させ、代位弁済者がその求償権の範囲内で原債権及びその担保権を行使することを…

相続預貯金払戻 (判タ 1355-55)

1) 証書・届出印の提出の要否 1. 問題点 預金約款には、払戻請求には証書及び届出印を要するとの規定があるのが通常であり、金融機関が同規定を根拠に払戻請求を拒むことがある。 2. 裁判例 裁判例は古くから、証書は単なる証拠証券にすぎないこと等を理由…

子の氏の変更

1 子の氏の変更には、「子の戸籍の役所」か「母の戸籍の役所」に出す。 子側に提出するときは母側の戸籍、母側に提出するときは子側の戸籍が必要。 2 両者が、例えば、青森−三重と離れている場合、氏の変更の申立 で戸籍を取得する場合、氏の変更届出を出…

相続預貯金払戻請求訴訟の論点(判タ 1355-52)

1.相続分払戻請求の可否等 1)請求の可否及び請求原因等 2)共同相続人全員の合意がなければ払戻しに応じないとの慣習 3)証書・届出印の提出の要否 4)戸籍謄本等の提出の要否・・権利者の確認に時間を要した場合全般 を含めて 5)遺産分割の対象とする旨の…

農地法3条の許可の不要例

1 特別縁故者への相続財産の分与 農地法3条1項12号の規定によって同項の許可の対象から除外されているため、農地法所定の許可は要しない。特別縁故者への相続財産の分与が農地法3条1項の除外事由となったのは、昭和45年10月1日からである。 2 離婚による財…