2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

清算人と印紙税

1 不動産売買代金の受取書には印紙税がかかるが,受け取った金銭がその受取人 にとって営業に関しないものである場合には非課税。 2 印紙税法上,一般に弁護士の行為に関して作成される受取書は営業に関しないも のと取り扱われており(印紙税法基本通達別…

高齢者の主婦の休業損害

1 共同提言(判時1692号162頁)は,原則として専業主婦につき全年齢平均賃金 をとるとしている。 全年齢を採用したということは,視点を変えれば,主婦業が年功序列的な収入 差に親しまないこと,すなわち,家事労働には年齢差や学歴差がないというこ とに…

マンションの管理に関する訴訟 (判タ1383−29)

【1】 (1)マンションの管理に関する訴訟の当事者能力,当事者適格等の認定,(2)共用部分の 管理に関する実体法上の諸問題及び(3)管理費の請求等に関する問題点につき, 関係する最高裁判例及び下級審裁判例を整理しつつ論じたもの。 【2】(別表)管理組合,…

証拠契約

1 証拠契約とは,広義では,判決の基礎となる事実の確定方法に関する当事者間の 合意を指し,狭義では,証拠方法の提出に関する合意を指す。 2 自白契約,証明責任を変更する合意,事実の確定を第三者の判断に委ねる仲裁 鑑定契約などは,前者の例であり,…

限定承認の申立の添付書類

1 「財産目録」の提出は要するが, (1)不動産であれば,全部事項証明書(2)預金であれば,通帳等 証拠書類は不要。

会社法第908条(登記の効力)

1 この法律の規定により登記すべき事項は,登記の後でなければ,これをもって 善意の第三者に対抗することができない。登記の後であっても,第三者が正当 な事由によってその登記があることを知らなかったときは,同様とする。

家事従事者の意義と損害の算定方法

1 家事従事者とは,「性別,年齢を問わず,現に主婦的労務に従事する者」をいう。 現実に主として家事労働に従事する者であれば,女子のみならず,男子も家事従 事者に含まれる。2 現在の実務の扱いでは,賃金センサスの女子平均賃金をもって損害額を算定…

物上代位と相殺

1 抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権の差押えをした後は,抵当不動産の 賃借人は,抵当権設定登記の後に賃貸人に対して取得した債権を自働債権とす る賃料債権との相殺をもって,抵当権者に対抗することはできない。 [平13・3・13第三小法廷判決](判…

先行滞納処分と収益執行

1 滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律(滞調法)上,滞納処分手続 と収益執行手続間の調整規定はないから,両手続の関係は,「先着手主義」に より規律されると考えられる。2 滞調法上,「債権を目的とする担保権の実行又は行使」(物上代位…

収益執行の賃料

1 民法371条 抵当権は,その担保する債権について不履行があったときは,その後に生じた 抵当不動産の果実に及ぶ。

収益執行の準用条文 (民執111条)

1 46・(2)は準用されていない。 2 46条 (1) 差押えの効力は,強制競売の開始決定が債務者に送達された時に生ずる。 だたし,差押えの登記がその開始決定の送達前にされたときは,登記がされた 時に生ずる。 (2) 差押えは,債務者が通常の用法に従って…

収益執行の申立書 (民事執行法規則63条)

1 63条 (1) 強制管理の申立書には,第21条各号に掲げる事項のほか, 給付義務者を特定するに足りる事項及び給付請求権の内容で あって申立人に知れているものを記載しなければならない。 (2) 申立人は,給付義務者を特定するに足りる事項及び給付請求…

墓地の購入と入檀

1 寺院型墓地の場合,墓地使用権を取得するためには檀家になることが必要である。 2 種々の義務を伴う入檀義務を課すことができるのかが問題になる。 この問題は,檀家ではないことが,墓埋法13条「墓地,納骨堂又は火葬場の 管理者は,埋葬,埋蔵,収蔵…

事業再生ADR手続の申請に向けて行われた支払猶予の申入れ等の行為が会社更生法88条1項所定の「支払の停止」に該当せず,同項による否認が認められなかった事例 平23.8.15東京地裁民事第8部決定(判タ1382-349)

1 【1】法88条1項所定の「支払の停止」については,破産法の否認権における場合と同様, 弁済能力の欠乏のために弁済期の到来した債務を一般的かつ継続的に弁済することが できない旨(支払不能の旨)を外部に表示する債務者の行為をいうと解されている。 …

第三者の占有と収益執行

1 条文 95条(1) 管理人は,強制管理の開始決定がされた不動産について,管理並びに収益 の収取及び換価をすることができる。 96条(2) 管理人は,不動産について,債務者の占有を解いて自らこれを占有するこ とができる。 2 第三者が不動産を占有している場…