2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

収益執行と敷金・賃料

1 給付命令送達前の賃料収受の可否 賃借人から任意に支払われた賃料については収受可能であるが、 管理人に対して支払いをする義務が本来ないことは明確に説明する 必要がある。 2 請求可能な滞納賃料の範囲 開始決定時に既に弁済期が到来した法定果実も管…

譲渡禁止の特約

◇ 譲渡禁止の特約に反して債権を譲渡した債権者は、債務者に譲渡の 無効を主張する意思があることが明らかであるなどの特段の事情がない 限り、その無効を主張することは許されない。(最判21.3.27金法1870-44) 1 原告が、被告に譲渡した請負代金債権には…

民事再生手続におけるリース契約の処遇(最三判H20.12.16(NBL907-67

1 事案の概要 本件解除特約に基づき、本件リース契約を解除する、未返還のリース物件 の引渡しと約定損害金の支払いを求めた事案である。 2 従前の議論と本件の争点の位置づけ ① リース契約の法的性質・・最二判H7.4.14が金融契約説。 少なくともフルペイ…

賃貸借保証金没収と破産法53条

1.本件建物について、期間を10年間、賃料月額2100万円とする定期建物 賃貸借契約を締結し、保証金として2億円を支払った。同契約には、 保証金について賃借人が自己都合で賃貸借期間内に解約又は退去する場合 は、保証金は違約金として全額返還されないも…

位置指定道路の通行妨害と妨害排除請求権

1.建築基準法42条1項5号の規定による位置の指定を受け現実に開設されている 道路を通行することについて日常生活上不可欠の利益を有する者は、 右道路の通行をその敷地の所有者によって妨害され、又は妨害されるおそれ があるときは、敷地所有者が右通行を…