2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

非器質性精神障害における割合的解決とその方法 (判タ1378-14)

1 割合的解決についての法律構成 2 割合的解決及び考慮要素に関する最高裁の判断 3 非器質性精神障害における割合的解決を考える上での視点 4 裁判例の紹介 5 裁判例の分析

収益執行事件申立の留意点 (その3)

【滞納処分との競合】 1 給付義務者への賃料債権が滞納処分による差押えを受けている場合の手続進行については,滞調法に調整規定がない(法93条の4は裁判所による債権差押え等がされている場合についての規定であると解される。)以上,先着手主義によると解…

滞納処分の差押(債権)との競合

1 第三債務者の陳述等により,執行裁判所がその滞納処分の存在を知ったときは,裁判所書記官は,差押命令が発せられた旨を当該滞納処分による差押えをした徴収職員等に対して通知しなければならない(滞調20条の3第2項,20条の10) 2 【徴収職員等の取立て…

収益執行 文献

1 判タ1319(2010.5.15)(京都地裁) 2 判タ1205(2006.5.15)(大阪地裁) 3 処理要領 (H16年1月) ( 〃 ) 4 〃 (案) (H16年3月)(執行官) 5 運用実情(金法1803)(2007年)(大阪地裁) 6 処理要領(H17年7月)(福岡地裁) 7 大阪地裁マニュアル(H1…

収益執行の申立の留意点 その2(管理人)

1 管理業者の有無(自己管理か否か?)2 指定の管理業者の有無3 物件は任意売却か競売か (1)居住者の不安・・・退室を少しでも減少するため, (2)新規募集の時の重説の関係

収益執行の申立の留意点 その1(裁判所)

1 給付義務者の数や債権者による把握の程度,管理状況,競売事件申立ての有無あるいは予定,執行妨害等の法律上の問題が生じるおそれの検討 2 【給付義務者の記載】 申立債権者にも可能な範囲での調査が義務づけられているが(規173条2項,63条2項),必ず…

交通損害賠償案件(被害者側)処理のための基礎知識 【自由と正義 2012年10月号】

【2】 受任時の確認事項[弁護士費用特約の存否] 1 補償内容 2 利用の現状 3 利用の注意点 【3】 複数の保険会社等との交渉・手続 1 基本的な手続の流れ 2 加害者の対人賠償保険 3 加害者の自賠責保険 4 政府保障事業 5 被害者の傷害保険 6 自転…

「終結後履行完了前破産事件」

1 再生計画の履行完了前の再生債務者につき破産手続開始の決定があった場合には,再生計画によって変更された再生債権は原状に復し(法190条1項),破産手続における破産債権の額,配当に関して調整規定が設けられている(同条3項,4項)。 2 これらの規定は…

交通損害賠償事件における非器質性精神障害をめぐる問題 (判タ1377-10)

1 (1)必須の争点となる因果関係論について,その判断手法及びその認定要素を 分析した上(2)素因減額等の割合的解決の法律構成及び斟酌の要素 (3)論文の末尾に,分析裁判例65例を整理した一覧表を添付 2 事故の外力により脳組織に器質的損傷が生じ,情動・認…

「労働者性」をめぐる裁判例と実務 (判タ1377-4)

第1 「労働者性」を判断する基準 (1)個別労働関係における「労働者」 (2)労働組合法上の「労働者」 第2 職種別の「労働者性」

東京家庭裁判所家事第5部 (遺産分割専門部) における遺産分割事件の運用 (判タ1374−54)(1276-56)

一、 1 特別受益としてしばしば問題とされる点 2 「生計の資本」としての贈与か否かが問題となるもの 3 「不動産の無償利用」 (1) 通常,使用借権の設定が,特別受益にあたる。(2) 当該土地が収益物件に当たり,これを第三者に賃貸し,賃料を得ていたはずで…

不法原因給付と破産

1 破産者から得た不当利得に当たる場合に,当該利得を受けた者が破産管財人に対し,その利得が不法原因給付に基づくものであるとして返還請求を拒むことができるか。消極(判タ1372-149) 2 これを否定して破産管財人の返還請求を認める複数の地裁裁判例が…

破産手続開始後,差押給与の取扱

1 給与差押え⇒破産開始決定(管財型)の場合の「否認」「供託された場合」「第三債務者が未払いの場合」について検討した最近の文献に,法曹時報64巻8号49頁「破産手続・民事再生手続における否認権等の法律問題第2回継続的給付の差押えがされたばあ…