2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

限定承認と登記(登記研究591)〔5189〕

1 本件照会は、相続開始以後の売買が相続財産の任意売却に当たることから 相続財産管理人が当該売買を原因とする所有権移転登記を申請することは、 相続財産の換価方法を競売に限定した民法第932条の趣旨に照らして受理 すべきでないのではないというもので…

限定承認における相続財産の換価

1 競売 2 限定承認者が相続財産を買い受ける場合 ① 限定承認者が自己の固有の資金で相続財産を買い受ける場合には、 後記の手続で家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従って売買すること になる。 ② 相続人(限定承認者)が鑑定人の評価した価額を弁済すれ…

給料等の先取特権に基づく債権差押命令

1 申立て却下(判タ1330-272) 2 民法306条2号の雇用関係によって生じた債権についての先取特権に基づき 債務者の有する債権の差押えを求めるには、民事執行法193条1項により、 「担保権の存在を証する文書」の提出が求められているが、その文書は、 この…

国有地の時効取得と背信的悪意者

1 ① 国有地について、黙示の公用廃止があったとして時効取得の対象と なる事例。 ② 国有地の譲与を受けた地方公共団体(世田谷区)が時効完成後の第三者 として登記欠缺の抗弁を主張することが信義則に反する (東地判21.9.15)(判タ1329-146) 2 公共用…

届出期間後の代位弁済

一 再生債務者が知りながら自認債権として認否表に記載しなかった債権 (民再181①三) 二 第96条 新再生債権者の単独による届出名義の変更も可能ではあるが、実務的には、 新旧債権者の連名による届出が通常であり、この場合には、証拠書類の写し の添付は…

貸金等根保証契約

1 「貸金等根保証契約」に該当しない根保証としては、主たる債務が、 ① 継続的な商品売買に係る買主の代金債務のみであるものや、 ② 不動産賃貸借に係る賃借人の賃料債務のみであるものなど 2 これらは、「貸金等根保証契約」に該当せず、改正後民法におけ…

留置権による競売

留置権の存在を証する文書は、以下の理由から、公文書に限定すべきである との考え方がある。 1 競売手続は定型的かつ迅速に処理をすることを旨とし、執行裁判所が 実体的な内容にまで立ち入って審査・判断するのは相当でない。 2 民事執行法181条1項4号で…