1 ① 国有地について、黙示の公用廃止があったとして時効取得の対象と
なる事例。
② 国有地の譲与を受けた地方公共団体(世田谷区)が時効完成後の第三者
として登記欠缺の抗弁を主張することが信義則に反する
(東地判21.9.15)(判タ1329-146)
2 公共用財産の時効取得
最二小判昭51.12.24「公共用財産が、長年の間事実上公の目的に供用
されることなく放置され、公共用財産としての形態・機能を全く喪失し、
その物のうえに他人の平穏かつ公然の占有が継続したが、そのため実際
上公の目的が害されることもなく、もはやその物を公共用財産として維持す
べき理由がなくなった場合には、右公共用財産については、黙示的に公用が
廃止されたものとして、これについて取得時効の成立を妨げない。」
3 公共用財産としての形態、機能の喪失の具体的な判断基準については、東京
高判平3.2.26訟月38巻2号177頁が参考になる。