2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

債務名義と権利保護の必要性 (判タ1386-349 東京高裁平24.11.29第12民事部決定)

1 本決定の要旨 (1)本決定は、「債権者が被保全債権について確定判決等の債務名義を有している 場合には、債権者は、遅滞なくこの債務名義をもって強制執行の手続をとれば、 特別の事情がない限り、速やかに強制執行に着手できるのが通常であるから、 原…

失業給付と損益相殺

1 たしかに稼働利益に対応する利益の給付とも言えないことはないが、 休業による損害を填補するという性質もなく、損害賠償請求権の代位 規定もないので、損害額から控除するべきではない。 2 失業保険は政府管掌のもとに、被保険者及び被保険者を雇用する…

収益執行と二重開始 (民執規24条)

1 強制管理等の開始決定がされた不動産について更に強制競売の申立てがあった 場合には、両手続はそれぞれ独立に進行するが、強制競売の手続において不動産 が売却され買受人が代金を納入すると、これにより不動産の所有権が移転する以 上、原則として強制…

第三者の弁済による求償・代位と倒産手続 (判タ 1386-41)

1 弁済による代位により財団債権や共益債権を取得した者は、求償権が破産債権や 再生債権であっても、破産手続や再生手続によらないで財団債権や共益債権を 行使できるものとした最高裁判決(最三小判平23.11.22、最一小判平23.11.24) 及びこの問題につい…

遺産の無償使用(使用賃借)による利益と特別受益

1 問題点 相続開始時における遺産土地についての使用借権が特別受益に当たるか否か。2 相続開始時における遺産土地についての使用借権は、生計の資本としての 贈与として、特別受益になる。 すなわち、遺産土地に建物を建て、その土地を無償で使用している…

訴訟費用額について本訴・反訴等について

1 (1) たとえば反訴側が申し立て (2) この場合、「自分の支払をした分」の「費用計算書」を提出する。 2 (1) 相手方に意見を求める (2) 相手方は(本訴側)自分の支払した分の「費用計算書」を提出する。 3 (1) 書記官において1、2の書面及び記録を検討…

相続放棄と再転相続の記載例

一 申述人(父の場合) 1 被相続人亡甲の第2順位の推定相続人である亡乙(たとえば母)の相続人 2 被相続人亡甲の第2順位の相続人 二 申述の実情 1 先順位者の相続放棄を知った日 2 その他(下記「相続の開始を知った日」のとおり) 両方の地位をかね…

新事前通知制度

1 旧不動産登記法は、登記義務者が登記済証を添付すべき場合において、 滅失等によりその添付ができない場合は、保証書制度を採用していた(旧法44条)。2 新法では、保証書制度を廃止して、新たな新事前通知制度を導入した。 登記識別情報を提供すべき場…