1 競売
2 限定承認者が相続財産を買い受ける場合
① 限定承認者が自己の固有の資金で相続財産を買い受ける場合には、
後記の手続で家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従って売買すること
になる。
② 相続人(限定承認者)が鑑定人の評価した価額を弁済すれば、競売
で売却するのではなく、相続人が取得できることとされた。
③ 民法932条但書の「競売を止めることができる」というのは上記方法
によれば競売によらず相続人が買い受けることができるという趣旨で
ある。
買い受けることができるのは、相続人であれば誰でもよく、相続財産
管理人に限られない。
④ 限定承認者が相続財産を競売の方法によらずに換価しても、限定承認
の効果自体には影響を及ぼさない。
限定承認者のこれらの行為により、相続債権者らに損害が発生した
場合には、損害賠償の問題になる。