交通損害賠償事件における非器質性精神障害をめぐる問題 (判タ1377-10)

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(1)必須の争点となる因果関係論について,その判断手法及びその認定要素を
  分析した上

(2)素因減額等の割合的解決の法律構成及び斟酌の要素
(3)論文の末尾に,分析裁判例65例を整理した一覧表を添付


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事故の外力により脳組織に器質的損傷が生じ,情動・認知等の高次の精神作用が障害された場合は,高次脳機能障害
脳の器質的損傷を伴わないのが,非器質性精神障害
「器質性」とは,症状や疾患が臓器・組織の形態的異常にもとづいて生じている状態をいう。



非器質性精神障害は,外力による器質的損傷と異なり,精神機能の障害の存在及びその原因を客観的に確認することは難しく,患者の愁訴に基づいて病態を把握せざるを得ない面がある。