1 土地区画整理事業は長期にわたり、その間に仮換地や保留地予定
地上に建物が建てられ、抵当に供されることがある。
よって、法定地上権の所有権要件が問題となる。
2 仮換地の場合
3 保留地予定地の場合
① 保留地予定地は、仮換地指定処分とともになされる指定により、
従前の所有者は使用収益権を喪失し(土地区画整理法99条1項)、
組合が使用収益を内容とする管理権を取得する(同法100条の2)。
② 同権利は、上記使用収益権とともに換地処分により公告がなさ
れるとその公告の日の翌日に保留地指定処分の設権的効果により
保留地所有権を原始取得できることをも内容とする(同法104条
11項)。
③ 施行者は、資金調達の必要もあることから、上記使用収益権等
を、換地処分前においても、整地が完了したものから順次譲渡し
ている。買受人は、上記使用収益権と停止条件付所有権移転請求
権を取得する。
④ 公告前においては、登記簿が存在しないことから、保留地予定
地に抵当権の設定は不可能である。
⑤ 上記買受人が、保留地予定地の使用・収益を開始した後に、
上記使用収益権に基づき、同地上に建物を築造し、これに抵当権
を設定した後、換地前に抵当権が実行されたとして法定地上権は
成立するかという問題である。