最高裁の取扱(自由と正義 64-6-12)

1 最高裁の裁判においては、下級裁判所の裁判と異なり、各裁判官が個別意見を
  表示することが認められている(裁判所法11条)


2 法廷意見(全員一致の意見)又は多数意見(反対意見がある場合の多数の意見)を
  補足する「補足意見」
  多数意見と結論を同じくするが理由を異にする「意見」
  多数意見の結論に反対する「反対意見」に分かれる。


3 権利としての上告については、その理由を憲法違反と絶対的上告理由に
  限定する一方、法令の解釈に関する重要な事件を裁量的に取り上げること
  ができる上告受理申立制度を新しく設けた。
  法令の解釈に関する重要な事項を含む事件については高裁の許可によって
  最高裁に抗告ができることとした許可抗告制度の新設した。


4 上告受理申立不受理決定について、最高裁は、原判決の当否について何ら検討
  もしないで、不受理としているのではないかという誤解がる。
  最高裁は、上告受理申立理由書で指摘された点について、
  原判決を検討し、必要に応じて、記録の関係部分をも調査した上で、
  受理すべきか否かを判断し、最終的に不受理としている。
  

5 不受理決定がされた場合には、最高裁は、原判決同様の判断をした
  という誤解がある。
  原判決の当否について検討はしているが、最高裁としては何らの
  判断を示していない。