1 被後見人の資産から親族の事業に融資することは、被後見人の財産の
貸付けであり、返済を受けられずに、被後見人の財産を減少させる
おそれがあることから、被後見にとって不利益な行為であり、
原則として被後見人にとっての必要性が認められない。
2 極めて例外的な場合であるが、被後見人にとって融資をする必要性が
あるかどうかを検討する上での考慮要素としては、次のようなものが
考えられる。
(1) 被後見人の生活のために事業の継続が必要かどうか
(2) 被後見人の生活の基盤が事業の収益に依存しているかどうか
これらの考慮要素を総合的に検討し、被後見人とって融資をする
必要性を検討すべきであるが、融資をする場合でも、物的担保の
提供を受けるかどうかなど社会常識的な見地から融資の相当性が
検討されるべきである。