1.交通事故の被害者が植物状態になった場合、家裁で成年後見人に選任
された弁護士が、加害者に対する損害賠償を請求する訴えを提起し、
追行したときには、成年後見人報酬についても加害者に賠償請求するこ
とができる。
2.身寄りがなく、本件事故の加害者である被告に対して損害賠償請求を
することをも念頭において弁護士である成年後見人が選任されたもので
あるから、不法行為の被害者が自己の権利擁護のため訴えを提起する
ことを余儀なくされて訴訟追行を弁護士に委任した場合の弁護士費用と
同様に、本件においては成年後見人報酬も本件事故により生じた損害
として被告に負担させるのが相当である。