無償否認(160・3項)

1.詐害行為と偏頗行為を崚別する新法の趣旨から、既存の債務に
 対する無償の担保設定行為については本条項の適用はなく、専ら162条
 の問題として処理すべきである。

2.対価性を有する行為のうちの相当額を超える部分だけを取り上げて
 無償否認の対象にすることはできない(東京地裁判H9.3.25判時1621号
 113頁)

3.旧法下の判例は、破産者が対価を得ることなく行った保証は、たとえ
 それと引換えに債権者が主債務者に対して融資・出捐をしたとしても、
 無償行為に該当し、このことは、主債務者と保証人との間に会社と
 その代表者という密接な関係がある場合でも変わらないと判示していた。