1. 目次
1)清算割合
2)自宅
3)退職金、年金
2. 退職金
裁判例には、支給の蓋然性が認められるときには分与対象財産に含め、
認められないときには扶養的分与の考慮事情にとどめるものが見受けられる。
3. 将来の退職金を分与対象財産とする場合には、支給額に勤務期間
のうち婚姻期間が占める割合を乗じ、その金額に清算割合を乗じる方法
で分与額を定め、分与を命じることになる
4.
1)離婚時に退職すると仮定した場合に支給される退職金額をもとに分与額を
定め、離婚時に、分与額の支払を命じるもの
2)定年まで勤務すると仮定した場合に支給される退職金額をもとに分与額を
定め、離婚後、実際に退職金の支給を受けることを停止条件として支払を
命じるもの
5. 結局のところ、離婚時分与型、受給時分与型のいずれも一長一短が
あるのであり、当事者の意向、資力、実際の退職までに見込まれる
期間、実際に支給を受ける退職金額と離婚時に退職すると仮定した場合
に支給される退職金額との想定される差額、離婚後に想定される生活
状況といった事情を総合考慮して、事案にふさわしい方法を定めるほかはない
6. 近時の裁判例では、給付額の算定や、分与の方法をどうするかといった
具体的な問題に焦点が移ってきている