1 2つの方式
(1)調停委員会方式で,調停委員として再建型倒産手続に精通した弁護士,
公認会計士を選任する方法。
(2)裁判官による単独調停で,調査嘱託先弁護士を選任するという方法。
その上で,補助者として公認会計士が選任される。
調査嘱託先弁護士は,民事再生手続でいうところの監督委員に相当する。
2 実際上の運用としては,調査嘱託先弁護士を選任する方が圧倒的に多い。
申立人にも,調査嘱託先弁護士に対して,作業量に相応しい費用を負担して
いただいて,債権者に納得してもらえる資料を整えながら手続を進めるという
方法が中心。
3 調査嘱託先弁護士は,特定調停手続規則9条が準用する民事調停規則13条に
より選任。
4 特定調停の大きな特徴は,大変柔軟に対応することができること。
特定調停手続の中で,中間的な合意を成立させるために新たな調停事件を
立件して,この部分で債務名義化するようなこともできる。
5 法的倒産を実施して取引債権をカットしてしまうと事業が大きく毀損し、
そもそも事業の再建自体ができない。そこで特定調停。
6 【まとめ】
裁判所の手続を使ったこと,優秀な調査嘱託先弁護士と補助者の公認会計士
が迅速かつ的確な調査や対応をしたことが、債権者のかたくなな対応を解き
ほぐしていった。
7 1〜6 大阪地裁調停部裁判官のコメント
8 民事調停規則
【事実の調査】
第13条 調停委員会は,相当であると認めるときは,当該調停委員会を組織する
民事調停委員に事実の調査をさせることができる。