破産手続開始決定と同時履行の抗弁権
1 売買代金の返還を受けるのと引換えに移転登記の抹消を命ずる判決を言い渡し,
これが確定。
2 売買代金返還請求権が破産債権としての権利行使しか認められないのであれば,
債権者としては同時履行の抗弁権も失うことになるが,それでよいのか。
3 双方未履行の双務契約を裏返した場合であり,同様の利益状況にある。
4 破産管財人としては,売買契約が解除されたことを前提に原状回復請求権と
しての抹消登記手続を求めることになりますが,これに対し買主である債権
者に同時履行の抗弁権の主張が認められるか否かは,破産法53条の規定の
趣旨をどのように解するかという問題と関係する。