預金と相続

1.① 当然分割承継説(最三小判平16.4.20)
  ② 処理
    相続人の1人が預金払戻請求訴訟を起こしてきた場合は、他の相続人
    にも告知して訴訟参加を勧め、特段の事情がない限り、第1審判決に
    従って払い戻す。

2.預金の取引経過明細の開示請求が相続人の一部からなされる場合
   最三小決平17.5.20(金法1751号43頁)が、開示請求を否定した控訴審
  判決について上告を棄却し、かつ、上告受理申立をして不受理とした

3.遺留分減殺請求に関する開示の判例最三小決平19.12.11(金法1828号46頁)
   被告は本件明細表に記載された取引履歴について銀行の守秘義務によって
  保護されるべき正当な利益を有さず、本案訴訟において本件明細表を提出
  しても、守秘義務に違反するものではないというべきである。

4.推論
   共同相続人間で相続財産(預金)の内容に疑問がある場合にも、一部の
  相続人乙が、被相続人甲あるいは他の相続人丙の取引銀行との預金取引
  明細につき、開示を求めることができると解されるのではないか?