保証人がいる場合の債権認否

1 破産手続開始決定前に保証債務を履行済みの場合の認否
   ア.債権者は、保証人からの履行により減額された債権で破産手続
     に参加する。


2 保証人の将来の求償権の認否
   ア.保証人のみが届出をし、債権者が一般債権調査期日終了までに債権
     届出をしなかった場合、債権者についてその後の届出追完が認められ
     る余地はないと通常考えられますので、保証人の将来の求償権の届出
     全額を認めてもかまいません。
   イ.ただし、将来の求償権は、債権調査において異議なく確定しても、
     直ちに配当加入資格を取得するわけではなく、最後配当の除斥期間
     経過までに代位弁済をしない場合は配当から除斥されます(破198条
     2項)


3 破産債権の除斥等
   ア.第198条
      2項 将来の請求権である破産債権について最後配当の手続に参加
        するには、前項に規定する期間内にこれを行使することが
        できるに至っていなければならない。
      3項 別除権者は、次項の場合を除き、最後配当に関する除斥期間
        内に担保されないこととなったことを証明し、又は当該担保権
        の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明
        しなければならない。
   イ.本条は、最後配当における破産債権の除斥等について定めるものである。


4 保証人が破産手続開始決定後に代位弁済した場合の認否
   ア.全額弁済の場合
      債権者と保証人双方がともに届出をしている場合には、債権者の債権
     について保証人が承継したこととして当該債権を認め、保証人の将来の
     求償権には異議を出すか、又は債権者の届出債権に異議を述べて保証人
     の届出債権の種類を将来の求償権から求償権に変更した上でこれを認め
     ることになります。
   イ.一部弁済の場合
      債権者は、破産手続開始決定時における債権額全額について破産債権
     として権利を行使することができ、配当額もその債権額全額を基準に
     計算されます。