年金振込口座と差押禁止債権の範囲変更の申立て

1 当該預金債権の差押命令の取消しを求めたところ、取消しが否定された
 事例及び取消しが肯定された事例(判タ1340-276)


2 民事執行法153条1項は、「債権者及び債権者の生活の状況その他の事情を
 考慮して」差押命令の全部又は一部を取り消すことができるとしており、
 実務上、申立人は、預金口座の収支状況、差押禁止債権の入金状況等を
 証する資料(預金通帳等)により、預金口座の原資が差押禁止債権である
 ことを証明するとともに、範囲変更の相当とする債務者及び債権者の生活の
 状況その他の事情についても証明する必要があるとされている。



3 事案ごとの実質的・具体的事情によることになるが、債務者の生活状況を
 詳細に認定した上で、給料債権の差押禁止範囲の拡張を認めた事例
(札幌高決昭60.1.21判タ554号209頁、東京高決平12.3.2判タ1050号275頁)