1 第333号 原裁判をした裁判所又は裁判長は、抗告を理由があると認める
ときは、その裁判を更正しなければならない。
2 旧法では、抗告の大部分は直接抗告裁判所へ提起され、かつ、その抗告
裁判所もその抗告事件を原裁判所に送付することもなかったため、原裁判所
が再度の考案制度を利用することはほとんどなく、制度の形骸化が問題視
されていた。
3 現行法では、抗告は原裁判所へ提起することとなった(331本・286)ため、
少なくともその点の問題は解消されるめどがついたといえよう。
4 抗告状の提出を契機にして原裁判の取消し・変更をすべき理由の存否を
判断するための原裁判の再審理(再度の考案のための再審理)が行われる
ことになる。
5 再審理の結果、抗告に理由があるとの判断に至れば、原裁判の取消しが
下されるが、理由なしとの判断に至れば、意見を付けて事件を抗告裁判所へ
送付しなければならない(民訴規206)。
6 規則
第206条 抗告を理由がないと認めるときは、原裁判所は、意見を付して事件
を抗告裁判所に送付しなければならない。
7 本条は、まず、事件の送付は、原裁判所において抗告を理由がないと認める
ときにすることを定めている。
8 事件の送付は、裁判所書記官が訴訟記録を送付してする(205条による174条の
準用)が、その際、原裁判所において、抗告が理由がないことについての
意見を添付する必要がある。