2013-08-24から1日間の記事一覧

明示的一部請求と残部についての消滅時効の中断 (判タ 1390-136、最高裁平25.6.6第一小法廷判決)

1 数量的に可分な債権の一部についてのみ判決を求める旨を明示した訴え に係る訴訟において、債権の一部が消滅している旨の抗弁に理由がある と判断されたため、判決において上記債権の総額の認定がされたとしても、 当該訴えの提起は、残部について、裁判…

相続開始後の相続財産(不動産)の管理・使用に関する相続人間の訴訟 (判タ1390-5)

1 相続開始の相続財産に関する相続人間の訴訟においては、 相続財産に不動産が含まれる場合に、不動産の占有者に対する 明渡請求、賃料相当額の不当利得返還、損害賠償請求、賃料を 収受した相続人に対する不当利得返還、損害賠償請求などが されることがあ…

「賃借人の譲渡」について問題となる場合

1 賃借地上建物の賃貸等 2 賃借人たる会社の経営者交代等 3 土地賃借権の準共有持分の譲渡 4 賃借地上建物の担保目的による買戻特約付売買 5 賃借地上建物の譲渡担保 6 離婚に伴う財産分与 背信性のない賃借権譲渡とする見解も有力であるが、離婚に伴…

反対尋問を経ない陳述書の実質的証拠力

1 当事者尋問・証人尋問において反対尋問を受けていない人物の作成 に係る陳述書が証拠として提出されている場合、当該陳述書のうち 当事者間に争いのある事実についての記載部分の実質的証拠力は 一般的に低いものと考えられており、裁判所が陳述書におけ…

「遺憾の意を表する」との和解条項

1 当事者の一方(被害者側)が、相手方当事者(加害者側)による謝罪 文言を入れるよう求め、相手方当事者(加害者側)がこれを拒否する ケース(それゆえになかなか和解に至らないケース) 2 実務上、明確な謝罪には至らないものの「遺憾の意を表する」と…

弁論終結後の和解

1 (1)和解期日で和解を成立させる方法 (2)裁判所が弁論を再開して事件を弁論準備手続に付した上で、 弁論準備手続期日で和解を成立させる方法 (3)17条決定を用いる方法2 裁判所が弁論を再開して事件を弁論準備手続に付した上で、 弁論準備手続期日で…

準備書面の書き方の工夫の一例

1 定量的な表現を用いることで、読み手によって受け取るイメージの 異なる定性的な表現を排除する。2 たとえば、不法行為による損害賠償請求訴訟において、 被害が甚大であり云々と書くよりも、被害の具体的な内容を詳細に 書くことでその甚大さが読み手に…

書面による準備手続

1 書面による準備手続とは、当事者の出頭なしに準備書面の提出等により 争点及び証拠の整理をする手続をいう。 2 当事者(代理人弁護士)双方ともに裁判所から 遠隔の地に居住している(ないし事務所ある)等の場合には、 いずれの当事者(代理人弁護士)…

弁論準備手続期日

1 当事者サイドから見た場合、実務的には、弁論準備手続を利用することの 最大のメリットは、電話会議システムを利用することができる点にあると 考えられる。(法170条3項)

労働審判の第1回期日の変更の可否

1 大阪地方裁判所では、現在のところ第1回期日の変更を認めない厳格な 運用がなされている。 労働審判における第1回期日の重要性に照らし、第1回期日に出頭できない 弁護士がそもそも相手方の代理人を引き受けてよいのかという問題がある。