1.和解に代わる決定制度を設けた理由
(従前)事件を民事調停法第20条に基づいて調停に付した上で、
直ちに同法第17条に基づいて、分割払等を内容とする調停に
代わる決定を行うというような運用。調停に代わる決定の制度
は、本来は調停の試みがある程度進んできたが、最後の段階で
もう少しのところで合意に至らないよいうような場合の手段と
して予定。
2.新第275条の2の和解に代わる決定制度
① 被告が、
ア.口頭弁論において原告の主張した事実を争わず、また、
イ.抗弁等の主張をしない場合において、被告の資力その他
の事情を考慮して和解的解決を図ることが相当であると
認めたときは、
② 原告の意見を聴いた上で
③ 和解に代わる決定をした場合には、原告は、異議の申立て
をしなければ全部認容の判決を得ることができない。
④ 和解に代わる決定は、原告の請求を認容する旨の判決をす
る旨の判決をすることができる場合に裁判所が和解的解決
を図るために行うもの。