否認の登記

1 否認の登記がされるのは、「登記の原因である行為が否認されたとき」また
 は「登記が否認されたとき」である。160条から162条までを理由として登記の
 原因である行為が否認された場合が前者の例であり、164条を理由として物権
 変動の対抗要件である登記が否認された場合が後者の例である。


2 否認の登記は、否認権行使の結果である物権変動を登記面上に反映させる
 ための終局登記である。


3 破産管財人は、登記の原因である行為または登記が否認された場合には、
 当該権利について否認の登記の申請をしなければならない。旧法下では、裁判
 所の嘱託により否認の登記をすべきとの見解もあったが、本条1項は、破産
 管財人の申請によることを明確に規定した。


4 否認の登記には、登記の目的として、登記原因の否認では「○番所有権移転
 登記原因の破産法による否認」、登記の否認では「○番所有権移転登記の破産
 法による否認」、受付年月日および受付番号、登記原因として否認権行使を
 認めた判決・決定の確定日に続けて「判決(又は決定)」と記録される。


5 登記原因証明情報として、否認の訴えに係る請求を認容する判決もしくは
 否認の請求を認容する決定を認可する判決の判決書の正本およびその確定
 証明書


6 否認の登記の申請は破産管財人が単独でするものである。