民事再生におけるABL実行(金法1927-84)

1. 固定化
2. 担保価値維持義務
3. 実行
(1)仮処分(執行官保管の仮処分)、実行通知が必要か
ア. 実行通知の先行を要するとすれば、債務者が不誠実であれば、実行通知から保全執行に
至るまでの間に目的動産が処分され、仮処分申立ては画餅に帰するおそれがある。
集合物の固定化が必要と説かれるのは、本案訴訟において集合物それ自体を
目的とした給付判決を出すことができないとの考え方に基づいている40。
イ. 請求の趣旨が不特定であれば訴状自体が却下されるから、結局、本案訴訟の提起時まで
に目的物が固定化されていれば足り、これに先立つ仮処分申請時に固定化を要するもの
ではないと解すべきである。
ウ. 被保全権利としては、
a.所有権に基づく引渡請求権が考えられる
b.譲渡担保権(の処分権能)に基づく引渡請求権
仮処分の被保全権利は、条件・期限付権利でも足りるところ
a.実行通知による固定化および清算
b.実行通知による固定化を、それぞれ停止条件として発生ないし
具体化する権利と構成することができると考えられる。
エ. 発令の可否は個別の事案における保全の必要性の判断にかからしめられることになる。
オ. 仮処分の保全執行時に固定化により目的動産が確保する。