葬儀を依頼する遺言 (判タ1380-53)

1 受遺者に葬儀を行わせる趣旨の遺言は,負担付遺贈と解され,葬儀の履行は受遺者が行うべきことであり,当該受遺者が遺言執行者に指定されているとしても,遺言の執行ではない。


2 受遺者ではない遺言執行者に委託するものであるときは,この委託に遺言の効力を認めることはできない。ただし,遺言者と遺言執行者の候補者とが生前に葬儀に関する委任契約をしたものと認められれば,契約として有効となるが,遺言の執行ではない。


3 遺言とともに,葬儀や永代供養の依頼を遺言執行者に指定された者などに委任する契約を締結することが行われるようになってきた。これは,死後事務委任契約ともいわれており,死後も有効で,かつ通常は相続人も解約できない趣旨のものと解されている。