執行費用の負担

1 【民執第42条】
  (1) 強制執行の費用で必要なもの(以下「執行費用」という。)は、債務者の
    負担とする。
  (2) 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行にあたっては,執行費用は,
    その執行手続において,債務名義を要しないで,同時に,取り立てることができる。


2 本条一項は,いわゆる執行費用債務者負担の原則を定めている。
  本条一項の実体法上の根拠として,弁済の費用は債務者の負担であることを
  規定した民法485条が存在する。


3 執行費用となるものは,強制執行の申立費用,債務名義の送達費用,執行文付与
  に関する費用,差押えの登記登録に要する費用,換価に要する費用,手続続行の
  ための通知費用はもとより,差押債権者の申立てによる売却のための保全処分(55)
  をする費用,差押債権者が債務者に代わって地代・借賃の代払をするのに要した
  費用。


4 強制執行費用は,強制執行の実施のために要した費用はもちろん,執行「申立準備」
  のために要した費用も含む。
  執行「申立準備」のために要した費用としては,債務者(所有者)に代位して相続
  登記をした費用(実務ではこの登記手続に要した費用のうち登録免許税,
  登記申請書提出費用,登記申請書に添付すべき資格証明書等の交付を受けるのに
  必要な費用は共益費用として認めるが,司法書士に対する報酬は共益費用とは
  認めていない)