表明保証の法的性質

 従来の我が国における契約実務では見られなかった規定であるが、最近、
アメリカの契約スタイルが我が国にも導入され、現在では、株式譲渡、営業
譲渡、その他のM&A、信託契約などの資産流動化に関するもの、のみなら
ず不動産売買や債権譲渡契約にも広がっている。
 表明保証とは、契約を締結する際、一方当事者が一定の時点における契約
当事者自身に関する事実、契約目的物の内容等に関する事実について、当該
事実が、真実かつ正確であることを明示的に宣言、表明し、相手方に保証す
るものであり、相手方は、当該事実が真実かつ正確であることを前提とし、
これに依拠して価格を決定し、取引を行う。

 表明保証責任は、その表明保証した行為自体に基づくものであって、債務
不履行責任と同一に解することは困難と思われる。それは、特約に基づく
担保責任の一種と解するのが最も妥当であろう。(金融法務事情№1805)