取引的不正行為における使用者責任(判タ1255-54)

1.事業執行性
  (1) 二段構えの構造
   ① 使用者の「事業」の範囲
   ② 被用者の「職務」

2.使用者の「事業」の範囲
  使用者の「事業」の範囲につき緩やかに解すると、被用者の取引行為が
 使用者の「事業」の範囲に属さない事案は限られるものと解される。

3.被用者と被害者との間の関係が問題となるにすぎず、被害者において取引
 行為の効果が使用者に帰属すると見る余地がないような事案
 (「個人的取引事案」)

4.個人取引かの判断基準
   ① 取引の目的ないし動機
   ② 被害者と被用者との間の人的関係
   ③ 取引の内容
   ④ 使用者に対する確認や問い合わせの有無
   ⑤ 被用者個人名の使用