1 旧法では、破産手続開始申立て後に債務者が死亡した場合、
破産手続開始決定の前後を問わず、破産手続は相続財産に
対して当然に続行するものとされていた(旧法130条)。
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(1)破産手続開始申立て後、破産手続開始決定前に債務者が死亡した場合は、
破産手続は当然には続行しない。
(2)相続債権者、受遺者、相続人、相続財産の管理人又は遺言執行者の申立て
により、相続財産についてその破産手続を続行する旨の決定をすることが
できる。
(3)申立ては相続開始後1か月以内に、書面で行う。
3 破産手続は、相続財産について当然に続行する(法227条)。
4 続行後の各種決定における破産者名は「亡○○○○相続財産」となる
(「被相続人亡○○○○相続財産」とする運用もある。)。
さらに、住所地の冒頭に「最後の住所」と追加する運用もある。
5 法人破産、自然人破産の場合、裁判書の破産者の本店所在地や住所の冒頭に
本店、住所などと記載しないため、相続財産破産の場合も同様に、「最後の住所」
という記載は必要的ではないが、登記記録上の本店と実際の主たる事務所が異な
る場合や住民票上の住所と実際の住所が異なる場合には併記する運用もあるため、
注意的に記載しているものと思われる。
開始決定後の続行に限らず、当初より相続財産破産で申し立てられた事件に
ついても「最後の住所」と記載する運用がある。