「相続させる」旨の遺言と代襲相続(判タ1256-175)(東京高裁平18.6

1.「相続させる」旨の遺言により財産を取得するとされた者が遺言者
 より先に死亡した場合、代襲相続ができるか否か
  学説 消極説が有力であった。

2.本判決は、「相続させる」旨の遺言についても、法定相続と同様、
 代襲相続の規定が適用ないし準用されるとした高裁段階で初の裁判例

3.判旨
 ① 代襲相続人が取得する相続分は相続人から承継して取得するものでは
  なく、直接被相続人に対する代襲相続人の相続分として取得するもの
  である。
 ② 相続人に対する遺産分割方法の指定による相続がされる場合において
  も、この指定により同相続人の相続の内容が定められたにすぎず、その
  相続は法定相続分による相続と性質が異なるものではなく、代襲相続
  に相続させるとする規定が適用ないし準用されると解するのが相当で
  ある。