代理人報酬と否認(判タ1284-328)(神戸・伊丹19.11.28)

1.破産申立代理人が破産者から支払いを受けるべき弁護士報酬は、共益費
 にあたる部分のみが財団債権になると解され、破産手続開始前に支払いを
 受けた弁護士報酬についても、共益費相当額を超える部分は否認の対象に
 なると解されている。

2.弁護士による債務者の責任財産保全活動としての任意整理ないし過払
 金返還請求や自己破産の申立てに対する着手金ないし報酬金の支払行為も、
 その金額が役務の提供と合理的均衡を失する場合、合理的均衡を失する
 部分の支払行為は、破産債権者の利益を害する行為として否認の対象に
 なりうる。