1.民事再生手続終結後、再生計画履行完了前に破産手続開始決定がされた
場合、民事再生法190条1項に基づき再生計画によって変更された再生
債権は、「原状に復する」が、その意味は、再生計画の効力を遡及的に
消滅させる趣旨である。
2.排除された破産管財人の主張
原状に復するという意味は更生計画が将来に向かって撤回されること
を意味するに過ぎないとし、再生計画認可決定確定時から破産手続開始
決定時までは、再生計画で免除・期限の猶予された元本に対しては
利息・損害金は発生しないと主張した。
3.再生計画認可決定確定日以降、破産手続開始決定までの再生債権者の
遅延損害金が多額にのぼることから、破産手続における配当率に大きな
影響を与える場合が生じるとしても、当該遅延損害金も、もともと保護
されるべき債権であったことには変わりがないことから、この全てを
劣後的破産債権とすることは、その額が大きいだけに、逆に再生手続に
おいて再生債権者であったものに過大な不利益を与えることにもつながる。