1.財団債権
破産手続開始前の原因により発生した請求権で、手続開始当時、
具体的納期限が未到来又は納期限から1年を経過していないもの。
2.住民税
賦課期日(1月1日)が破産手続開始前であるもののうち、破産手続
開始当時、具体的納期限が未到来又は1年を経過していないもの。
3.具体的納期限は、納税通知書に記載されている納期限であり、ほとんど
の場合、法定納期限と一致する。
4.法定納期限は、普通徴収の場合が6月、8月、10月及び1月中の条例で
定める日であり(地方41、320)、特別徴収の場合が6月から翌年5月
までの各徴収月の翌月10日までである。
5.法定納期限等とは、納税者等と取引をする第三者が、その納税者等の
租税等の発生を予測することのできる日、すなわち租税等と私債権との
優先劣後を決める基準となる日をいう(地方税法14の9)。
6.法定納期限等という概念は、民事の取引における物件の公示の原則
との調整をはかるために必要なもの。
無原則に質権等によって担保される債権等に優先するとすると、民事
の取引の安全を害することになってしまう。そこで、納税者等と取引
する第三者が予測可能な日を定めて、物権公示の原則との調整をはかろう
としたもの。
7.法定納期限等は、私債権者が租税等の存在を知ることができる日を
基準に設定されており、通常は法定納期限と一致しますが、一致しない
場合もある。
8.住民税の第一期の納期限が6月30日の場合、第二期以降分の法定納期限
は6月30日、法定納期限等は所得税の法定納期限と同日の3月15日となり
ます(法320、14の9②四イ、徴15①三)
9.(民事執行、講義案252頁)法定納期限とは所得税法その他の法律の
規定により国税又は地方税を納付すべき本来の期限のことであり(徴収法2⑩)、
法定納期限等の「等」とは、上記の法定納期限以外の国税等の更正通知書
又は納付通知書を発した日(徴収法15Ⅰ①)、相続税又は贈与税に
あっては、その決定通知書又は更正通知書を発した日(徴収法15Ⅰ④)
などのことであり、地方税については、地方税法14条の9に同様の定め
が置かれている。