滞納処分と破産

1. 第25条 (包抱的禁止命令)国税滞納処分(国税滞納処分の例による処分を含み、交付要求を除く。以下同じ。)

2. 第43条 
  1.破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産に対する
   国税滞納処分は、することができない。

3. 破産手続開始決定後の新たな滞納処分を許さないとする趣旨は、租税債権が
  本来有している他の担保権等との間の実体上の優先順位を否定するものではない。

4. この場合、仮に、交付要求が認められないとすると、租税債権に劣後していた
  担保権者が破産手続開始決定を契機として租税債権に優先し思わぬ利益を受け
  ることになる反面、租税債権者は本来租税債権の引き当てであった競売手続に係る
  不動産の売却代金から弁済を受けることができないという不当な結果が生じることになる。

5. そのため租税債権の交付要求を許し、それを配当表に記載して、
  その順位に応じて配当額を計算することになる。

6. 交付要求債権者が配当表に記載されるとしても、交付要求に係る
  租税債権に対する配当金を誰に交付すべきかについては、破産管財人に対して
  交付すべきとする見解と交付要求をした徴税官庁に交付すべきであるとする見解との
  対立がある。

7. 租税債権は本来破産管財人に交付要求して弁済を受けるのが本則である。
  破産者所有の不動産を目的とする担保権の実行としての競売手続において交付要求が
  されたときは、交付要求に係る請求権に基づき破産宣告前に国税徴収法又は国税徴収の
  例による差押え又は参加差押えがされている場合を除き、交付要求に係る配当金は、
  破産管財人に交付すべきであるとしている(最判平9.11.28)

8. 差押・・公的公課庁へ 支払
  交付要求・・破産管財人へ 交付