1. 平成19年2月15日最判によれば、「以上のような将来発生すべき債権に
係る譲渡担保権者の法的地位にかんがみれば、国税徴収法24条6項の解釈
においては、国税の法定納期限等以前に、将来発生すべき債権を目的と
して、債権譲渡の効果の発生を留保する特段の付款のない譲渡担保契約
が締結され、その債権譲渡につき第三者に対する対抗要件が具備されて
いた場合には、譲渡担保の目的とされた債権が国税の法定納期限等の到来
後に発生したとしても、当該債権は「国税の法定納期限等以前に譲渡担保
財産となっている」ものに該当すると解するのが相当である。
2. そうすると、担保が公租公課の差押に勝つ場合があるが、破産管財人が
担保について否認権行使をするとどうなるか。
3. 担保が存在しないと、劣後した差押が効果を有する。
これにより、財団債権が減少し配当が可能になるのであれば行使すべき
である。
4. 仮に配当が可能にならない場合、差押庁より対価の提供の約束があれば
検討すべきである。(従前、拒否されたので行使しなかったことがある。)
5. 然し、従業員の労働債権の財団債権の按分弁済の場合は、和解金の入金
がなくても、行使すべきか検討する必要がある。
6. いずれにしても、破産裁判所との協議が必要である。