1 破産法上の担保権消滅請求制度の対象には商事留置権が含まれる。
2 商事留置権については、別途、商事留置権の消滅の制度が設けられて
いる(192条)。一般の担保権の消滅の制度は、担保目的財産の任意売却の
場面を対象とするのに対し、商事留置権の消滅の制度は、目的財産の破産
財団への回復を内容とする。
3 担保権の消滅の制度が組入れを含む任意売却による処理により直接的に
にそれを図る制度であるのに対し、商事留置権の消滅の制度は将来の有利
な換価のために破産財団において目的財産の利用を確保する制度である。
4 裁判所の許可に対する担保権者の即時抗告は担保権の消滅の制度では認め
られているが、商事留置権消滅制度においては認められていない。