労働債権の立替払いと財団債権(判タ1314-5)

1 機構は、この事業に基づき労働者に代位弁済したときは、使用者に対して、
 求償権及び弁済による代位に基づき取得した原債権(貸金債権)を行使する
 ことができるが、使用者が破産している場合に、財団債権である未払賃金を
 弁済した場合の上記請求権が財団債権になるかどうかが問題となる。


2 破産法149条の財団債権の趣旨
  「絶対的共益性に基づく財団債権」「相対的共益性(および公平の見地)
 に基づく財団債権」に対し、「政策的見地に基づく財団債権」という分類
 がされ、それは「本来的には破産債権としての性質を有するが、破産法は、
 税収の確保や労働者の生活保護といった政策的理由から」財団債権とした
 ものとして、租税債権と労働債権を挙げられる。