別除権付債権

1.担保権があっても被担保債権の債務者が破産者でなければ、当該債権は別除権付債権にならない。

2.Bが貸金債務を負い、破産者AがBの債務について保証し、自分の保証債務を被担保債務として自己所有不動産に抵当権を設定している場合、Aに対する保証債権は、別除権付債権となる。

3.信用保証協会を債権者とし、被担保債権の範囲を「保証委託取引」により生ずる債権として設定された根抵当権の被担保債権に、信用保証協会の根抵当債務者に対する保証債権は含まれない(最一小判平成19年7月5日判タ1253号114頁)。

4.よって、A所有の不動産について、債権者である信用金庫甲が、「債務者A」に対する「信用金庫取引による債権」を被担保債権とする根抵当権を有している場合、Bの信用金庫甲に対する債務をAが保証している場合は、信用金庫甲のAに対する保証債権は別除権付債権である(最三小判平成5年1月19日民集47巻1号41頁)。
 一方、債権者信用保証協会乙が、「債務者A」に対する「保証委託取引」を被担保債権とする根抵当権を有している場合、Bの信用保証協会乙に対する債務をAが保証していたとしても、信用保証協会乙のAに対する保証債権は別除権付債権とならない。