1.財団債権相互間の優先順位に関する上記各規定は、「破産財団が財団債権
の総額を弁済するのに足りないことが明らかになった場合」において、いまだ
弁済されていない財団債権についてのみ適用されることになる(破152条1項)。
2.上記規定を根拠に財団不足が明らかになった後に、支払済みの財団債権に
ついて返還を求めるまでの必要もない。
3.但し、破産管財人としては、破産管財人報酬を含む財団債権全額を弁済し得る
見通しがつくまでは、特段の事情がない限り、財団債権の弁済を差し控えて
いるのが通常。